派遣社員はブラック?6年間の経験から思うこと【体験談】

みなさん、こんにちは。

派遣社員の求人に応募してみたいけど、やっぱりブラックなの?

そんな疑問に答えます。

 

結論からいうと、ブラック寄りのグレーです。

 

どういうことなのか解説していきます。

 

目次

 

 

派遣がブラックである理由

 

派遣がなぜブラックといわれるのか?

理由は簡単で、

正社員と同じ仕事してるのに格差があるから。」です。

 

そもそも正社員と派遣社員の間にスキル的な差はほとんどありません。

むしろ派遣社員の方がスキル面でしか自分の良さをアピールできない分、

正社員よりも高いスキルをもっている人もいます。

 

仮にスキルレベルが同じでも、同じ仕事をする以上は同じだけの収入を得られて当然だと思います。

ですが現実は、正社員のほうが収入は高いですよね?

これが派遣がブラックだといわれる一番の理由だと思います。

 

派遣の方が収入が低くなる仕組み

 

では、なぜ派遣の方が収入が低くなるのでしょうか?

これにはお金の流れが関係しています。

 

派遣社員というのは当然派遣会社に所属しているので、

給料は派遣会社から支払われます。

 

派遣会社はユーザーとなる会社に対して人員を派遣する代わりに、

時間単位いくらでサービス料のようなもの請求します。

 

このサービス料から派遣会社が諸経費を差し引いたものが派遣社員の給料となるわけです。

 

もし派遣社員正規雇用されている社員と同等、

あるいは高い給料を得ようと思ったら、

この時点でユーザーは正社員に支払う給料より多いサービス料を支払うことになります。

 

これだと大赤字になりますから、ぎりぎりの経費に抑えた結果、

派遣社員に支払われる給料が低くなってしまうのです。

 

ただ、厳密にいうと、

ユーザーは正社員に支払うお金より高い料金を派遣会社に支払っています。

それでもユーザーは、

退職金の積み立てなどの福利厚生にかかるコストをカットできます。

 

つまり、間に入る派遣会社がピンハネするせいで派遣社員が得る給料が減ることになるのです。

 

いつリストラされるかわからない

 

給料面以外のことでいえば、

いつ契約を切られるかわからない

というのがあります。

 

ユーザーが派遣社員を雇う理由は、

  • 正社員よりコストが安くすむ。
  • 人員の調整が簡単。

だいたいこの2つが主な理由です。

 

忙しい時には人を雇い入れて、

暇になるとクビにする。

 

日本は労働基準法によってこういったことが簡単にできないようになっているため、

派遣会社から人員を借りて、

いらなくなったら返すのです。

 

景気の変動は予測が難しい

 

季節が関係するような仕事であれば忙しい時期、暇な時期はある程度予測できます。

 

ですが、半導体の工場や自動車の工場などは景気の変動に左右されます。

 

僕がいた工場は、僕が辞めて2ヵ月後にリーマンショックがあり、

かなりの人員がリストラされたと聞いています。

 

この時は正社員の人たちも影響が少なからずあったと思います。

 

記憶に新しい派遣村

 

リーマンショックの時に生まれた言葉のひとつに「派遣切り」があります。

 

景気の低迷を理由に多くの派遣労働者が突然職を失いました。

 

僕もそうでしたが、ほとんどの派遣労働者は寮に入っています。

解雇されることはすなわち、

住居を失うことを意味します。

 

職を失い住居を追われた労働者が集まり公園内に「派遣村」を作ったことも話題になりました。

 

これからの「派遣社員

 

さて、僕は冒頭に「ブラック寄りのグレー」といいました。

ここまで読んでいただいて、

「ホワイトな要素ゼロじゃん」

と思われるかもしれません。

 

残念ながら現時点では「派遣はブラック」と言わざるを得ません。

 

現在は派遣先での勤務が3年を超える場合には直接雇用の機会をつくるよう国が定めるなど、

派遣社員の雇用環境は改善しているように見えますが、

これはかえって派遣社員、さらにはユーザーをも苦しめています。

 

ですが、今後は少し変わってくるかと思います。

 

終身雇用の崩壊

 

先日トヨタ自動車の社長が、

「終身雇用の維持は厳しい」

と発言したことにより終身雇用の崩壊が始まったといわれています。

 

そもそも派遣社員にはそんなものなかったわけですから関係ないのですが、

正社員も安定路線ではないとなると、

むしろ派遣は有利になるように思います。

 

ただし、条件はあります。

それは「スキルがあるか」ということです。

 

派遣から正社員へとシフト

 

派遣での仕事を選ぶとき、

この仕事でどんなスキルが身につくか

というところを意識してみてください。

 

おそらくほとんどの仕事ではスキルは身に付きません。

 

ですが、僕の経験だと製造の仕事をするうえでエンジニアのひとと話したり、

サブリーダーなどの役職につくことでマネージメントの経験を得たり、

ただ働くだけでは身につかないスキルを得ることができました。

 

スキルを身につけることができれば、

自信も付きますし、転職にも有利になります。

 

これからは正社員だから安泰という社会ではなくなります。

 

あなたが「生きていくためのスキル」を身につけることが出来るのであれば、

派遣という働き方は全然ありです。

 

「でもそれ派遣じゃなくて正社員でもよくね?」

 

たしかにそうですね。

でも、正社員になるには越えなければならないハードル(学歴など)があったりもします。

実際僕は高卒ですが大卒の正社員と一緒に働いていましたし、

その人たちに能力面で劣っていると思ったことはないです。

 

派遣会社を通すことでそこらへんのハードルも下げられるかなと思います。

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。

僕は6年間派遣で働いて辛い思いもしましたし、

得たものもたくさんありました。

 

「正社員だからホワイト。

 派遣だからブラック。」

 

一概にこうはいえない現実も見ています。

 

さらに、今後は正社員であることの意味を考えさせられる時代になっていくと思います。

 

僕の結論は、

「ちゃんとスキルを身につけられるなら、派遣もあり」

です。

 

若い人で働き方に迷っているひとは、

とりあえず派遣で働いて、何か独学で学ぶのもいいと思います。

 

一番ダメなのは、正社員だろうが派遣社員だろうが、

思考停止してただ働くこと

です。

 

せっかく派遣というシステムがあるのですからうまく利用して、

未来を豊かなものにしてください。

 

この記事があなたの一助になれば幸いです。